「おしゃれなフィカス・ベンガレンシスを買ったけれど、枝が伸びすぎて形が崩れてしまった」
「剪定をしたいけれど、どこを切るのが正解なのかわからず、枯らしてしまわないか不安」
このように、お気に入りの観葉植物にハサミを入れることに、恐怖を感じていませんか?
実は、フィカス属の剪定は、「節(ふし)」というポイントさえ押さえれば、初心者の方でも失敗することはありません。
むしろ、思い切って剪定することで、より美しく、元気な姿に生まれ変わらせることができるのです。
この記事では、フィカス・ベンガレンシスをはじめとするゴムの木の仲間(フィカス属)に共通する、正しい剪定方法と、切った枝を使った挿し木の楽しみ方について、徹底的に解説します。
今日からあなたも、自信を持ってメンテナンスができるようになりますよ。
フィカスの剪定時期はいつ?失敗を防ぐベストタイミング

剪定を成功させるために、テクニック以上に重要なのが「いつ切るか」という時期の問題です。
植物にはライフサイクルがあり、適切な時期にハサミを入れることで、その後の回復力や新芽の成長スピードが劇的に変わります。
まずは、カレンダーと植物の状態を見比べてみましょう。
成長期が長い「春」が一番おすすめな理由
結論から言うと、フィカスの剪定に最も適した時期は「春(4月〜5月頃)」です。
これには明確な理由があります。
春は、冬の寒さが和らぎ、植物たちが「これからどんどん成長するぞ」と活動を活発にし始める季節だからです。
このタイミングで剪定を行うと、直後に訪れる夏に向けて、植物は旺盛な生命力を発揮します。
カットされた刺激によって新芽が動き出し、剪定後のダメージを素早くリカバリーしてくれるのです。
夏に剪定を行っても問題はありませんが、春に行うことの最大のメリットは「成長期間を長く確保できること」にあります。
例えば5月に剪定を行えば、気温が下がる10月頃まで、約半年間も成長を楽しむことができます。
しかし、夏の終わりに切ってしまうと、新芽が十分に育つ前に冬が来てしまい、植物にとってストレスになる可能性があるのです。
初心者のうちは、リカバリー期間がたっぷり取れる春を狙うのが、最も安全な策と言えるでしょう。
冬でも剪定できる?室温と環境の条件
「冬は剪定してはいけない」とよく耳にしますが、これは絶対的なルールではありません。
重要なのは、カレンダー上の日付ではなく、あなたの部屋の「環境」です。
最近の住宅は気密性が高く、暖房器具によって冬場でも24時間暖かく保たれているケースが少なくありません。
もし、あなたの家のフィカスが、12月や1月になっても新芽を展開し、成長を続けているようであれば、それは「成長期」と同じ状態です。
この場合に限り、冬場であっても剪定を行うことは可能です。
ただし、基本的には冬は植物の休眠期です。
寒さで成長が鈍っている時にハサミを入れると、新芽が出ずにそのまま弱ってしまうリスクがあります。
部屋が寒い場合や、植物の動きが止まっている場合は、無理をせず、暖かくなる春まで待つのが賢明です。
植物の様子をよく観察し、彼らのペースに合わせてあげることが、長く付き合うコツです。
【実践】フィカス・ベンガレンシス剪定!どこを切るのが正解?

時期が決まったら、いよいよ実践です。
「どこを切るか」という疑問に対して、フィカス属には明確な正解があります。
これさえ守れば、ベンガレンシスでもウンベラータでも、どんなフィカスでも迷うことはなくなります。
迷ったらここ!「節と節の真ん中」が切る場所

フィカスの幹や枝をよく観察してみてください。
葉っぱが生えている付け根の部分に、線が入っていたり、少し膨らんでいたりする場所がありませんか? これが「節(ふし)」と呼ばれる部分です。
剪定をする際は、この「節と節の間」の、ちょうど真ん中あたりをカットしてください。 難しく考える必要はありません。
「葉っぱが生えている場所」と「次の葉っぱが生えている場所」の中間地点、ここがハサミを入れるべきポイントです。
なぜ節を避けて切るのかというと、節には「成長点」と呼ばれる、次の新芽を作り出すための重要な細胞が詰まっているからです。
節そのものを切ってしまうと、そこからは新しい芽が出にくくなってしまいます。
節と節の間であれば、残った節にある成長点が刺激され、そこから新しい枝が元気に伸びてきてくれます。
「節を残して、その上で切る」というルールを覚えておきましょう。
理想の樹形を作る「新芽の向き」と成長点

剪定に慣れてきたら、ワンランク上のテクニックとして「新芽が出る方向」をコントロールしてみましょう。
これにより、将来どのような樹形にしたいか、デザインすることが可能になります。
実は、剪定した後に新しい芽が出てくる場所は、おおよそ決まっています。
それは、切り口のすぐ下にある「葉っぱの付け根」です。
そして重要なのが、新芽は「残した葉っぱと同じ方向」に向かって伸びていくという性質があることです。
例えば、右側に生えている葉っぱの上でカットすれば、次の枝は右に向かって伸びていきます。
逆に、左側の葉っぱの上で切れば、左に枝が伸びていきます。
これを利用すれば、「こっちの空間が寂しいから枝を伸ばしたい」と思えば、その方向を向いている葉っぱを残して切れば良いのです。
ただ高さを低くするだけでなく、半年後の姿をイメージしながら切る場所を選ぶと、剪定がもっと楽しくなりますよ。
必須アイテムと白い樹液への注意点
フィカスの剪定に必要な道具は、シンプルです。
基本的には「よく切れる園芸用の剪定バサミ」が一つあれば十分です。
家庭用の工作バサミでも切れなくはないですが、切り口が潰れて植物にダメージを与えたり、硬い枝で手を痛めたりする原因になります。
スパッと切れる専用のハサミを用意することをおすすめします。
また、フィカス特有の注意点として、「白い樹液」への対策が必要です。
フィカス属はゴムの木の仲間であり、枝を切ると切り口から白い粘着質のある樹液が滲み出てきます。
この樹液は、体質によっては肌がかぶれてしまうことがあります。
剪定を行う際は、必ず手袋を着用するか、樹液が手についたらすぐに洗い流せる準備をしておきましょう。
また、床に垂れると掃除が大変なので、新聞紙などを敷いておくのも良いでしょう。
切り口から出た樹液は、ティッシュで軽く押さえて拭き取れば、しばらくすると止まります。
焦らず落ち着いて処理すれば大丈夫です。
剪定した枝を捨てないで!水挿しで増やす簡単ステップ

剪定で切り落とした枝、そのままゴミ箱へ捨ててしまうのはもったいないです。
実は、その枝を使って、新しい株を増やすことができるのです。
ここでは、初心者でも成功しやすい「水挿し(みずさし)」の方法をご紹介します。
成功率を上げる「挿し穂」の作り方と長さ

切り落とした枝を、挿し木用に加工したものを「挿し穂(さしほ)」と呼びます。
先ほどと同じように、「節」を含めることが挿し穂作りの絶対条件です。
長い枝を切った場合は、節を1つ〜2つ含むようにして、細かく切り分けていきます。
この時も、節と節の間でカットして、節が残るように調整してください。
枝の先端部分を使う場合は、全体の長さが10cm〜15cm程度になるようにカットします。
長すぎると、水を吸い上げる力が追いつかず、途中で枯れてしまう原因になります。
逆に短すぎても体力が持たないので、15cm前後を目安にするのが成功のコツです。
切り口から出る白い樹液は、水を吸い上げる妨げになることがあるので、一度流水で綺麗に洗い流してから、水を入れた容器に入れましょう。
葉の枚数を調整して水分バランスを保つ
挿し木を成功させるための最大のポイントは、「水分のバランス」です。
根っこがない状態の挿し穂は、切り口からしか水を吸うことができません。
しかし、葉っぱがたくさんついていると、そこからどんどん水分が蒸発(蒸散)していってしまいます。
これでは、吸水が追いつかず、枝が干からびてしまいます。
そこで、心を鬼にして葉っぱの数を減らしましょう。
先端の挿し穂であれば、葉っぱは上の1枚〜2枚だけを残し、下の方についている葉はすべて取り除きます。
もし残す葉っぱが非常に大きい場合は、ハサミで葉を半分にカットして、蒸散する面積を減らしてあげるのも有効なテクニックです。
あとは、直射日光の当たらない明るい室内に置き、こまめに水を交換してあげるだけです。
気温にもよりますが、早ければ2週間〜1ヶ月ほどで白い根っこが出てきます。
植物の生命力を間近で感じる感動的な瞬間を、ぜひ体験してみてください。
まとめ

フィカス・ベンガレンシスの剪定は、決して難しい作業ではありません。
「節と節の間を切る」という基本さえ守れば、植物は驚くほどの生命力で応えてくれます。
- 剪定のベストシーズンは、成長期の始まる「春」
- 切る位置は、葉の付け根にある「節」と「節」の真ん中
- 新芽は、切り口の下にある葉っぱと同じ方向に伸びる
- 切った枝は、15cm程度に調整して水挿しにすれば増やせる
伸びすぎてしまったフィカスをそのままにしておく方が、日光不足になったり、通気性が悪くなったりして、植物にとってはストレスになります。
今回の記事を参考に、ぜひ今度の週末、愛着のあるフィカスのお手入れに挑戦してみてください。
すっきりと整った美しい姿は、あなたのお部屋をより一層素敵な空間にしてくれるはずです。
追伸
剪定後の様子や、挿し木の発根の経過などは、Instagramでも随時発信しています。
「うちのフィカス、ここを切っても大丈夫かな?」といった疑問があれば、DMやコメントでお気軽に相談してくださいね。
一緒にボタニカルライフを楽しみましょう!
